伏見人
マイノリティの星になりたい、小中一貫校教員。李大佑さん☆
本日の伏見人は、在日コリアン3世として京都に生まれ、京都市の教員として採用された、李大佑さんにお話を伺いました。
偏見・差別にさらされながらも、常にポジティブに、時に葛藤し自分を見つめるなかで掴んだ教師への夢。本日は李さんの半生を綴ったエッセイ『マイノリティの星になりたい』には載っていない、李先生の伏見愛に焦点を当てた取材となりました☆
現在は、京都市立向島秀蓮小中学校で後期課程(中学校・社会科)の教員として学年主任兼担任をしています。
2004年度京都市教育委員会に「任用の期限を附さない常勤講師」として採用していただきました。初めて勤務した京都市立春日野小学校ではタグラグビー(コンタクトと言われる身体接触を禁止するラグビー)部の監督を務め、同時期に中学校社会科の免許を取得すべく通信教育課程の科目履修生となりました。
「自己投資」と称し「朝4時起きしての勉強」を続けた努力が実り、晴れて中学校社会科免許取得とエッセイをコツコツと書き留め、この度出版する運びとなりました。
私が少しずつ書きためた原稿が、こうして出版できたのは、皆様からいただいた温かさあってこそ。
すべての皆様に感謝申し上げます。
沢山の子どもや保護者と出会い、その中で培ったのは「自分から心を開かへんかったら、相手も心を開かへん」という経験則。なかなか距離を詰められない子どもや保護者でも、きっとわかりあえる、必ずわかりあえる。そう信じています。
わかりあい尊重し合うためには、自己開示が大切だと考えています。
僕は伏見生まれの伏見育ち。恋愛もすべて伏見始まりです。
初めて告白した場所は住吉公園、ファーストキスは下鳥羽団地。ふられた夜は高瀬川のせせらぎと新堀のアスファルトが、僕を慰めてもくれました。
伏見で生きてきた自分の人生を、恋愛ですら子ども達に開示する。小手先ではなく、ありのままの自分で勝負したい。自己開示を王道とすることで、教育者としてのプロにいつかなりたい、そう思っています。
2022年から京都工学院校等学校をお借りして始まった、伏見区ラグビー・タグラグビーフェスティバルの実行副委員長として活動しています。
ラグビーは伏見の国技と言ってもいいほど浸透しているスポーツです。
小学校のタグラグビー、小学生のミニラグビースクール。中学生のラグビースクールも増加傾向で、中学校・高校の部活動として取り組むラグビー部は昔から盛んです。大学では龍谷大学という名門チームがあり、向島では地域をあげて盛大に田んぼラグビーが開催されています。
子どもから大人まであらゆる立場の方々がラグビーを通して豊かに生きる町、それが伏見です。
(1)酒どころ・港町として賑わった江戸時代の雰囲気を残す、中書島南浜付近の河川沿い
(2)夜の外環状線(石田駅周辺)自然と住宅地の光が相まって、日常と非日常の狭間が綺麗
(3)向島の田んぼ。秋は夕陽、夏は青々とした稲の風景に四季を感じること間違いなし
正解は…
日本有数のロマンチックに告白できる場所でした☆
『マイノリティの星になりたい』は明石書店から出版中です。お求めはお近くの書店またはネットショッピングにて。
家庭環境や経済状況が厳しいなど、どんな立場の境遇にある子であっても、学業やスポーツに十分に取り組める環境を作りたい。自己実現が叶えられる京都市にしたいと強く思っています。
京都市の教員という立場を活かしながら、ラグビースクールや民間企業の方と協力して部活動改革を推し進めたい。教職員の部活動への負担を減らしたいと考えてのことです。
目標は、マイノリティの星になること。まずは、その第一歩として『マイノリティの星になりたい』を出版しました。
焼きレバーと、ところてんです。即答です。
外見はゴリゴリで近寄り難く、中はフニャフニャの焼きレバーは究極のツンデレ食。見た目はミステリアスなのに、黒蜜と酢の味しかしない、ところてんは究極の惹きたて食。
最後の晩餐は焼きレバーにところてんをかけて食べる予定です(笑)
【編集コメント】
李大佑さんの本「マイノリティの星になりたい」に感銘を受け、私事をこちらで語らせていただきます。
私も李さんと同じく、在日コリアン2世の父と日本人の母との間に生まれました。李さんと違うのは私は通名を通し、25歳の時に父と帰化したことです。決して朝鮮半島ルーツの名誉や誇りを捨てたわけではありません。むしろ日本国籍を取得した今の方が一層、自分のルーツに愛着を持てるようになりました。
藤城小学校卒業の日、担任の先生が「自分のルーツを大切にしてほしい」と通名とは別に民族名の卒業証書をクラスメイトに内緒でくださいました。小学生の時はピンときていませんでしたが、今となっては先生の愛を感じる贈り物です。私は今でもその先生を尊敬しています。李さんの本のあとがきにもある通り“教師は尊い職業、存在である”のだと思います。
そしてこの度、まいぷれ伏見区で原稿を書かせていただいたあるお客様からのご紹介で、李大佑さんにお会いできました。その方に、心から感謝を申し上げたいと思います。
(取材 ばらやん)
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。