京都市伏見区の「暮らしの歳時記」
(更新)
【伏見から約20分】中国文化が息づく名刹「黄檗山 萬福寺」
伏見から少し足を延ばして、歴史あるお寺をゆっくり巡りたい。
そんな方におすすめしたいのが、宇治市にある黄檗宗大本山「黄檗山 萬福寺(おうばくさん まんぷくじ)」です。
京阪・中書島駅から京阪宇治線を利用して約20分。「黄檗駅」から徒歩約5分とアクセスも良く、伏見から気軽に訪れることができる歴史スポットです。
京都にありながら、中国・明時代の文化を感じられる、全国でも珍しい寺院です。
・黄檗宗 萬福寺(宇治市) 拝観料500円
総門
三門
萬福寺は、1661年に中国・明から来日した高僧・隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師によって開かれた黄檗宗の大本山です。
境内へ入ると、日本の一般的な寺院とは少し違う雰囲気に驚かされます。
左右対称の伽藍配置、回廊、独特な屋根の形、装飾など、中国・明時代の建築様式が色濃く残されており、まるで異国を訪れたような景観が広がっています。
2024年には「大雄宝殿」「法堂」「天王殿」の3棟が国宝に指定され、その歴史的価値が改めて注目されています。
隠元隆琦禅師は、1592年に中国・福建省で生まれた高僧です。
63歳で弟子たちとともに来日し、後水尾法皇や江戸幕府第4代将軍・徳川家綱の支持を受け、1661年に萬福寺を開創しました。
隠元禅師が日本へ伝えたのは、禅の教えだけではありません。
中国・明の建築様式、書、絵画、印刷技術、読経の作法、そして中国風精進料理「普茶料理」や煎茶文化など、江戸時代の文化にも大きな影響を与えました。
ちなみに、私たちに馴染み深い「インゲン豆」は、隠元禅師が日本へ伝えたことから、その名前が付いたと言われています。
境内に入ってまず訪れたいのが「天王殿」。
堂内には、大きなお腹と笑顔が印象的な布袋(ほてい)さまが祀られています。
日本では七福神の一柱として親しまれていますが、萬福寺では弥勒菩薩の化身として大切にされています。
また、布袋さまの背中側には、寺院の守護神である韋駄天(いだてん)さまが祀られています。
建物の配置にも意味が込められている点も、萬福寺ならではの魅力です。
天王殿
天王殿
天王殿(布袋様)
境内中央に建つ「大雄宝殿」は、日本のお寺でいう本堂にあたる建物です。
堂内には釈迦如来像が安置され、その両脇には釈迦の弟子である摩訶迦葉(まかかしょう)と阿難陀(あなんだ)が祀られています。
日本の寺院でよく見られる文殊菩薩・普賢菩薩とは異なる、中国禅宗の伝統を感じられる場所です。
大雄宝殿
境内でぜひ探してほしいのが、魚の形をした大きな木製の法具「開梆」。
修行僧へ食事や読経の時間を知らせるために使われ、現在も使用されています。
木魚の原型ともいわれる、萬福寺を象徴する存在です。
開梆
時間が合えば、ぜひ読経にも注目してください。
黄檗宗では、中国・明時代から伝わる「唐音(とうおん)」による読経が現在も受け継がれています。
鐘や太鼓とともに響くリズミカルな読経は、一般的な日本のお経とは異なる独特の魅力があります。
法堂
萬福寺を訪れた際には、「普茶料理(ふちゃりょうり)」もおすすめです。
肉や魚を使わず、野菜や豆腐、湯葉などを工夫して仕上げた中国風精進料理で、見た目も華やか。
予約をすれば、本格的な普茶料理を味わうことができます。
伏見から電車で約20分。
そこには、日本にいながら中国・明の文化を感じられる特別なお寺があります。
国宝建築を眺めながら境内を歩き、隠元禅師が伝えた歴史や文化に触れる。
萬福寺は、京都の有名観光地とは少し違う、静かでゆったりとした時間を楽しめるおすすめスポットです。
伏見からの日帰り散策先として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
| 名称 | 黄檗宗 萬福寺(Obaku-san Manpuku-ji Temple) |
| 住所 | 京都府宇治市五ケ庄三番割34 |
| URL | https://www.obakusan.or.jp/ |
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

☆伏見から日帰りシリーズ☆ @萬福寺
【伏見から約20分】中国文化が息づく名刹「黄檗山 萬福寺」

2026年 伏見 夏の夜市(7月31日開催)完全ガイド
~ 伏見7商店街を歩いて楽しむ、夏の一夜 ~

なぜ6月に茅の輪をくぐるの? 伏見で受け継がれる「夏越の祓」とは